4 お酒はほどほどに −健康的に楽しみましょうー
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お酒が健康を害するといえば、一般に肝臓を考えますね。でも、飲みすぎが及ぼす悪影響は、肝臓だけにはとどまりません。
WHO(世界保健機関)の調査では、過度の飲酒と、口腔がん、喉頭がん、食道がんは関係があるという報告がなされています。
フランスのノルマンディー地方の住民は、アルコール濃度の高いブランディーを飲む習慣があり、昔から食道がんが多いといわれます。
強い酒で口腔や咽頭、食道などの粘膜の細胞を傷つけるのが原因だろうと考えられます。
アルコールの多量摂取と肝臓がんの発生にも関係がみとめられています。また、酒好きの人は、つまみを食べずにお酒だけを飲むことが多いので、栄養のバランスがくずれて、がんになりやすい体の条件をつくる可能性も高いわけです。
とくに、飲みすぎのうえにたばこが重なると、悪い因子が相乗的にはたらいて、がんの危険も増します。
飲酒中のたばこは極力ひかえるよう努力し、強いお酒は薄めて飲むか、水といっしょに飲むようにしましょう。まずはお酒はほどほどに。
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5.たばこは吸わないように
−特に、新しく吸いはじめない−
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たばことがんの間に深い関係があることはみなさんもご存知でしょう。
40歳以上の日本人男性、12万人以上を、長期間にわたって調査した結果、1日25本以上たばこを吸う人は、吸わない人に比べて、喉頭がんが90倍以上、肺がんが7倍の死亡比になることがわかっています。
しかし、禁煙すればがんになる危険はそれ以上増えず、禁煙後5年くらいたつとほとんど吸わない人と同じくらいの状態に近づきます。
まわりの人も迷惑します
最近は、吸っている本人だけでなく、周囲の人に与えるたばこの害が問題になっています。
紙巻たばこの火のついているほうから出る紫色の煙は、吸い口のほうから出る煙よりも、ある種の発がん物質については含有量が高いことが知られています。
妻が吸わなくても、夫が1日20本以上吸うヘビースモーカーの場合、喫煙しない夫をもつ妻と比べて、肺がんの死亡率が2倍も高いという報告もあります。
日本でも諸外国と同様、肺がんが年々増え、平成10年(1998年)には、胃がんを抜いてがん死亡のトップになりました。
肺がんの予防のために禁煙を心がけましょう。どうしてもというなら、できるだけ本数を減らしてください。
また、たばこを吸いはじめる年齢が低いほど肺がんにかかりやすいということもわかっています。未成年の喫煙にはまわりでも気を配って、絶対に止めるようにしていきたいものです。 |
第6条 食べものから適量のビタミンと繊維質を多くとりましょう。
★緑黄色野菜をたっぷりと!
ビタミン類は、人間のからだにとって「潤滑剤」のようなものです。 なかでも、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEには、発ガンを防ぐ働きもあることが知られています。
さらに、海藻類や野菜などに含まれる繊維質は、五大栄養素(たんぱく質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル)に続く「第六の栄養素」として、大変重要視されています。
また、スナック類やインスタント食品の成分表に書いていますビタミン類などは、 化学物質を合成して作られたものです。
自然のものとまったく異なるものもありますので、ビタミンは、なるべく自然な食品からとるようにしましょう。
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第7条 塩辛いものは少なめに、熱いものは少し冷ましていただきましょう。
日本人の代表的ながんといえば、胃がんがあげられます。
その割合は、少しずつ減ってきています。とはいえ、肺がんをわずかに下回る程度であり、大腸がん、肝臓がんや乳がんなど他のがんに比べるとまだまだ圧倒的に多いのが現状です。
この胃がんの発生と深い関係があるのが、塩分のとりすぎです。
1日にとる塩分の望ましい量は、通常10グラム以下とされています。
塩分のとりすぎが脳卒中や心臓病などの循環器系の疾患を起こしやすく、一般に塩分をひかえる傾向にあり、胃がんの死亡率も確実に下がってきていますが、
全国平均では、1日当たりの塩分の摂取量は、まだ10グラム以下にはなっていません。
とくに、男女とも50歳代が最も高くなっています。 最近では塩分の摂取量の減少傾向が鈍ってきているみたいです。
ところで胃がんでの死亡率は、地域によって差があることが知られています。この死亡率の差は、昔から塩分の摂取量との間に密接な関係があるとされ、さまざまな研究や調査により明らかになっております。
しおからなど塩分の多い食品を大量に食べないことと、できるだけ塩分を抑えた調理を心がけましょう。
塩分のかわりに酸味をきかせる調理法を工夫してみましょう。
なお、熱い食べ物を冷まさずに食べる習慣もアルコールの場合と同じように、粘膜を傷つけることになります。
43度以上のお風呂にはいると、とても熱いですよね。
それとおなじで胃や食道だって熱いのです。ただ、手や足のように熱さを感じにくいので熱いものが好きな人は、つい、冷まさずに食べてしまうのです。
度重なるとガンが発生しやすい状況をつくるようなものです。あまり熱いものは、冷ましてから食べるように心がけましょう。
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予防8へ続く |